2017/07/31

7月30日

龍志志ん輔の会(国立演芸場)

かな文ひと目上がり/志ん輔三枚起請/龍志藪入り//仲入//龍志酢豆腐/志ん輔柳田格之進

来年は7月29日開催の予定との事。

龍志師匠

酢豆腐

酒呑みの了見色のマクラから寝てた源ちゃんを起こして、金ちゃんが酒屋から下げてきた二升で呑もうという話になる。昨夜集めた銭は夕べ呑んじゃって肴探しになる。若い衆連中は軽い能天気。よっちゃんは糠味噌と聞くと蕁麻疹が出る。他の一人の留守で〜すは軽くて良いなァ。半公を呼び込むのは熊ちゃん。ミィ坊の話を聞かされた半公のそうでしょうも軽くフンワリと嬉しい。半公の糠味噌だけは勘弁してくれ。これから人に会うんだからは納得の断り。半公は二円で示談になる。半公の雑司谷霊園の烏がホーホケキョと鳴いたお前ェたちは山賊みたいな奴らだも珍妙。与太郎はダァダァではないが夕べより大きくなったけど育ったのか?は笑う。若旦那は一寸調子が低い。若旦那の適当なクネクネ動きは動き過ぎず可笑しい。あれ、あんまり人食さないなは受けた。若旦那の感涙に咽びますなもらしい語彙。若旦那のこのモヤモヤした景色を楽しみやす黄色い所が特に宜しいも楽しい。

藪入り

リボン印の蝿捕り紙(初耳)の話から鼠捕りのマクラを経て、藪入りの説明へ。熊さんは割と静かな職人。かみさんも落ち着いている。なァ阿ッ嬶ァは余り強く押さない。亀を連れて歩こうという件で根津の松岡さんは六〜七年前に死んでて余りいい人じゃなかったけど、おかみさんが良い人だからの科白には受けた受けた(笑)。熊さんは四時半に起き出す。草履と履き物を前に涙がポロポロの科白には涙が出た。長屋連中に対する熊の言葉は荒っぼくない。かみさんの科白で熊さんが病み上がりからまだ間がないと分かるのは良い工夫(これは小袁治師匠の工夫との事)。戸口にいる亀を熊が呼び込む演出も良いなァ。10歳で奉公に出て、今13歳だけに、亀は普通の演出より大人びている。熊が目の前にいる亀相手に視線を上げられずに手紙の件を話すのは親心が分かる良い工夫。旦那からの進物はなく(これがオチの伏線になっている)、亀の御供物の話になるけど、まだ体が本物じゃねぇんだと熊が亀を一人で湯に

やるのも感心する演出。十五円を見て熊が怒りだすと亀がまず怯えるのは子供らしい。事実が分かって熊が亀に頭を下げて謝るのは実直な職人らしい。オチは鼠と聞いて猫婆したかと思ったと変えて、忠義を前に出さないのは現代的で、優れた親子噺になっている。

志ん輔師匠

柳田格之進

マクラ無し。格之進の嘘が人を助ける事もある、が分からない性格を前振りにする。碁の教わり方を挟んで、何日か柳田が碁会所に足を運んでから萬屋と出会う設定。柳田も萬屋も少し口調が硬く落ち着き過ぎで人情噺めく。割と直ぐ十五夜になる。萬屋は柳田に進物や土産は持たせない。口調を抑えて客席を鎮め過ぎる気味がまだ残っている。番頭徳兵衛は歳が若い作り。科白に間を置く悪い癖が出てしまうのは残念。徳兵衛が柳田に話をするのはもう少し嫉妬心が前に出ても良い。絹は硬いがもう一寸色気というか、美女らしさが欲しい。柳田は絹には優しい父であるのが分かる。今初めて嘘という物をついてみた。慣れない事をするものではないなは柳田の良い科白。絹は武士の娘にございますはちと泣き過ぎ。五十両が柳田の手元に届くのは翌日で、手数料云はない。萬屋が徳兵衛を叱る言葉は弱い。暮の煤掃きに話は直ぐ移り、徳兵衛が離れの掃除を小僧に命じるのは因縁だな。言葉の切り方が変なのは人情噺系になると際立つ。萬屋が徳兵衛に言う黙っていりゃあ分

かりませんなんて言えないは人柄が出る。大晦、新珠の春の大晦は不要な言葉。些か気障に感じる。柳田が湯島の坂を雪を踏み締めて歩くサクッサクッは風景が出る。柳田と出会った徳兵衛はもっと驚くべきでは?徳兵衛相手の柳田は言葉が優しくなっている。傘を差した柳田の姿は絵になっていない。徳兵衛は何故告白した直後に逃げ出そうとするのだろう?現れた徳兵衛は職人っぽい。五十両の訳はここで萬屋に訊かれて柳田が答え、絹は仏に支えていると語る。刀の振り落としに迫力がない。

絹が仏門に入っているというのは現代の女性に通じるかなァ?松鯉先生の萬屋が絹を養女にするを矢来町の師匠が紀伊國屋で演じた時は場内から失笑が起きたそうだが、矢来町の師匠が亡くなってから15年以上経ってる訳だから、現代のお客さんには松鯉先生の演出の方が通じると私は思うのだが

情けない話だが、最近、親子や娘という言葉ややり取りを聞くと涙が出てしまう。これが老化現象って物だろうか。

三枚起請

猪之は若旦那というより町内の若い衆っぽくて喜瀬川からまだ子供じゃないかと言われる雰囲気ではない。棟梁も少し若目で三十路半ばかな。清公は如何にも職人らしい。棟梁と清公で懐の探り方が違うのは細かい。清公の騙され話が快調なテンポで、清公の気取り方も可笑しい。妹に済まないと思ったけど、有難ェ!の間抜けぶりは初耳で大笑い。棟梁今晩なから清公ねえ棟梁の三人連れで吉原へ向かうカットバックは良い。棟梁が茶屋の女将に言う騙され話は耳っこすりで簡略化。清公がピピピンと喜瀬川の頬を張る仕科をするのは女の打ち方として的確。喜瀬川には如何にも棟梁に馴れて、小馬鹿にしている雰囲気がある。喜瀬川のクリープを入れないコーヒーのようなのギャグは笑った。棟梁はヒョットコみたいな顔で怒るのが可笑しい。喜瀬川はフフンと笑って居直り出すのが早い。本題が35分無いのは結構だが、一朝師匠のように、もう5分詰められないかなァ。

かな文さんを聞いていて、最近の若手が道灌ひと目上がりつるの入り方が全部一緒になっているのは感心しない。違う噺なのだから、導入部からして違うべきだと私は思う。

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